お見合いの会話、何を話す?1時間の組み立てと、続かないときの戻し方
お見合いは、およそ1時間です。
服装を決めて、場所を調べて、当日の朝までは準備できることがあります。けれど「何を話すか」だけは、直前まで手がつかないまま残りやすい。
考えるほど不安になるのは、こういう順番で想像するからです。話題が尽きたらどうしよう。沈黙になったらどうしよう。気まずいまま1時間座っていることになったらどうしよう。
先に結論を書いておきます。お見合いの会話は、話題を多く用意した人が続くわけではありません。
1時間は、思っているより短い
まず、時間の感覚を合わせておきます。
お見合いの時間はおよそ1時間です。ホテルのラウンジやカフェで、担当の方が同席する場合もあれば、ふたりだけの場合もあります。始まりの挨拶と、席についてからの数分、終わりの支度を差し引くと、実際に話しているのは45分ほどです。
45分で話せる話題は、3つから4つです。
ひとつの話題をきちんと話すと、それだけで10分は経ちます。ここが、準備するときにいちばんずれやすいところです。10個用意しても、8個は使いません。使わないだけならいいのですが、実際には別の問題が起きます。
用意した話題が多いほど、当日どれを出すか迷います。 相手の話を聞きながら、頭の中で次の質問を探している状態になる。すると相手の言葉が半分しか入ってきません。
準備は、減らすほうに効きます。
続かないのは、話題が足りないからではない
会話が続かなかった、と感じるときに実際に起きていることを書きます。
「お休みの日は何をされていますか」 「映画を観ることが多いです」 「そうなんですね。いいですね」
(沈黙)
「お仕事はお忙しいですか」
話題は足りています。ふたつも出ています。それでも続かないのは、ひとつの話題を一往復で終わらせているからです。
質問して、答えが返って、受け止めて、次の質問に移る。丁寧なやりとりに見えますが、これを繰り返すと会話ではなく面接になります。しかも話題は有限なので、10分ほどで在庫が切れます。
続く会話は、同じ場所をもう一段だけ進んでいます。
「お休みの日は何をされていますか」 「映画を観ることが多いです」 「映画館まで行かれるほうですか、それとも家で観るほうですか」 「最近は家が多いですね。映画館は好きなんですけど、時間が合わなくて」 「時間が合わないの、分かります。何時くらいに終わることが多いんですか」
同じ「休みの日」の話題のまま、3往復しています。新しい話題を探していません。
コツはひとつです。返ってきた答えの中の言葉を、そのまま次の質問に使う。 映画と言われたら映画のことを、家と言われたら家のことを聞く。探しに行かなくていいので、頭の中に余裕が残ります。
話題は「浅い順」に3つだけ決めておく
用意するのは3つです。しかも順番を決めておきます。
Kinda pair では、ふたりの会話に出てくる話題を4つの層に分けています。浅いほうから、ふれる・知る・重なる・描く。お見合いの1時間で扱うのは、いちばん外側の「ふれる」と、その少し内側の「知る」までです。
第1層・ふれる(好みや、日々のこと)
- 休みの日の過ごし方
- 食べ物の好き・苦手
- 落ち着く場所
- 音楽・映画・本の好み
- 朝型か夜型か
- お酒との付き合い方
- どんな仕事をしているか
この層の良いところは、事実で答えられることです。考え込まなくていい。正解がない。答えたあとに評価されている感じがしない。
最初の3つは、ここから選びます。事前に決めるのはこれだけで十分です。
第2層・知る(考え方や、人との付き合い方)
- 仕事への考え方
- 一人の時間がどれくらい必要か
- 連絡の頻度とテンポ
- 友人との付き合い方
- お金の使い方の癖
第2層は、当日に用意していくものではありません。第1層を話しているうちに、相手の言葉が長くなる瞬間があります。短い返事から、自分の言葉で説明する話し方に変わる。そのときだけ、その流れで第2層に入れます。
入らなければ、入らないままで構いません。1時間は、この人ともう一度会いたいかを確かめる時間であって、相手を理解しきる時間ではありません。
途切れたときに戻る場所を、ひとつ決めておく
沈黙は起きます。準備をしても起きます。
沈黙そのものより、沈黙のあとに焦って質問を連射してしまうことのほうが、空気を硬くします。だから戻る場所を決めておきます。
いちばん確実なのは、目の前にあるものです。
- 飲み物のこと(それ、おいしそうですね。何を頼まれたんですか)
- お店や建物のこと(このあたり、来られたことありますか)
- 今日ここまでのこと(迷わず来られましたか)
内容に意味はありません。会話を再起動するためのものです。 目の前にあるものは相手も見ているので、答えるのに準備がいりません。数往復すれば、また元の話題に戻れます。
もうひとつ、覚えておくと楽になることがあります。沈黙の長さは、体感の3分の1です。 気まずいと感じた5秒は、たいてい2秒ほどしか経っていません。相手も同じくらい緊張しているので、こちらが思うほど減点されていません。
当日は、聞かなくていいことがある
聞きたいことがあるのは自然です。ただ、1時間の中で確かめないほうが穏やかなものがあります。
当日には向かないこと
- 年収、貯金、借入のこと
- 過去の交際や離婚の詳しい事情
- 体のこと、持病のこと
- 宗教、支持政党
これらは、聞いてはいけないから避けるのではありません。その場で答えを求めると、答える側が身構えるからです。1時間しかない中で相手が身構えると、残りの時間の温度がそこで決まってしまいます。
そして多くの場合、収入や年齢のような基本的な情報はプロフィールに記載されています。記載されていないことや、書かれた内容で確かめたいことは、担当の方を通して聞けます。 直接向かい合って聞くより、間に人が入るほうが、お互いに正確に答えられます。
暮らしの前提に関わること――結婚後の働き方、子どものこと、住む場所、親との距離――も、当日の話題ではありません。これは交際に進んでから、何度かに分けて話す領域です。ここを1時間で片づけようとすると、お互いに考えがまとまらないまま言葉だけが残ります。
連盟による違いについて
結婚相談所が加盟している連盟によって、お見合いの進め方は異なる場合があります。
時間の目安、担当の方の同席の有無、当日その場で交際の可否を伝えないルールの扱いなどに差があります。気になることは、担当の方に確認しておくと安心です。
- 話したことと、まだ話していないことを並べる(Kinda pair)→ 28の話題を浅い順に並べて、いまどこまで来ているかを見られます。
- 話題ごとの聞き方の例文を見る → そのまま口に出せる形で、28件すべて公開しています。
- いまの気持ちを整理する(Kinda note)→ 当日までの落ち着かなさを、60秒で言葉にして置いていけます。
- お見合いの別れ際、何と言えばいい? → 1時間のあと、去り際の数十秒について書いています。
会話が上手な人が選ばれる時間ではありません。
3つだけ決めて、戻る場所をひとつ持って、あとは相手の言葉をそのまま拾う。それで45分は過ぎていきます。
frequently asked
よくある質問
お見合いの会話では、何を話せばいいですか?
休みの日の過ごし方、食べ物の好き・苦手、落ち着く場所のように、相手が事実で答えられる話題から始めるのが安全です。1時間で実際に話せるのは3つから4つほどなので、多く用意する必要はありません。むしろ浅い順に3つ決めておくほうが、当日どれを出すか迷わずに済みます。深い話は、相手の言葉が長くなってきてから自然に移ります。
お見合いで会話が続かないときは、どうすればいいですか?
新しい話題を探すより、いま出ている話題に一歩戻るほうが続きます。会話が途切れるのは話題が足りないからではなく、質問と回答で一往復して終わっているからです。「それはいつ頃からですか」「どんなところが好きなんですか」と、同じ話題の中をもう一段だけ進めてみてください。それでも止まったら、目の前の飲み物やお店のことに戻れば間が持ちます。
お見合いで聞かないほうがいい話題はありますか?
年収、貯金、過去の交際や離婚の詳しい事情、体のことは、当日その場で確かめようとしないほうが穏やかです。多くの場合、収入や年齢などの基本的な情報はプロフィールに記載されており、確認が必要なことは担当の方を通して聞けます。宗教や支持政党のように、答えによって空気が動きやすいものも当日には向きません。聞きたい気持ちがあること自体は、まったく問題ありません。
お見合いの1時間で、深い話までしたほうがいいですか?
その必要はありません。1時間は、この人ともう一度会って話したいかを確かめるための時間です。結婚後の働き方や子どものことのような、暮らしの前提に関わる話は、交際に進んでから何度かに分けて話す領域です。当日に無理に踏み込むと、お互いに答えを用意していないまま言葉だけが残ってしまいます。
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